2007年09月28日

トラウマ

午後、予定外の次男が突然帰宅。何かあったかと思いきや、ただ予定日を勘違い。でも、たった1泊、死海でポッカリ浮いて爽快感。たっぷり味わってきたそうだ。たとえ食糧事情が乏しくても、テントの支えが折れ、つぶれたテントの中で、寝袋のごときただもぐりこんで寝たとしても、、、だ。
そういえば、我が家のイスラエル生活12年。その間、死海に行ったのはただ一回。そんなに遠くも無い場所なのに、、足だけは遠くなった事情があった。

10年ほど前の、我が家の苦い体験がそうさせた。

車をようやく購入した我が家。ここに来て3年ほど経ってからだ。それまでは浦島太郎のごとく、家の周辺、テルアビブ市内だけの生活だった我が家。狭いイスラエルを、より狭くしていた生活だった。コレではまずいと、結構な危機感を募らせていた矢先だった、、、

ようやく車が手に入り、人並みにどこか遠くへ出てみることに。でも方向感覚の全くない母親が、どこまで行けるか保証がない。とりあえず、向かった先が「死海」だった。知名度が高い場所なのが選んだポイントだった。

道をそれたとしても、誰でも知っていそうな場所である。リスクは結構避けられる。

当日は、助手席にいる長男が、地図を片手にガイドする。12,3才の彼は、方向感覚はまともなので役に立つ。当日は道もそんなに寄り道もせず、目的地に無事到着。

ガイドブックに乗っていた有名な場所「死海」。我が家もようやく人並みに、遠出が可能になった。よその家族と同じように、自分達も同じ場所に来ることができた。その嬉しさと期待感。当時の我が家の誰もがワクワクドキドキ、、、。


すぐ目の前に、あの有名な「死海」がある。車を止めて、さあ準備。入る前の注意をせねば、、、、。といっても、母親自身もよく事情がわからずにいた頃だ。

子供達は、、、と、周囲を見るが姿は見えず。???

まもなく、海から出て来る子供達。それぞれが「痛い、痛い」と叫んでいる。よく見れば4人組。何がどうしたかと思いきや、事情を聞いて納得だ。

水着に着替えた子供達が、その興奮を抑えきれずに海の中にもぐりこんだ。それも、顔を海の中に突っ込んだ。「ウエ〜!」

そう思った時は、もう遅い。「死海」は、普通の海水の濃さとは違う。塩水で目が痛くて開けられない。痛い、痛いと泣き叫ぶ子供達。普通の水でどのくらい洗ったことか。

車でテルアビブから2時間近く。やっとたどり着いた場所なのに、ものの数分で事情が一変。
せっかくの楽しみが、一瞬のうちに悲劇に変わったときだった。

二度と、あんな海には行きたくない!と、まるで地獄にでも行くような剣幕だった。
子供達を楽しませようと車を走らせた私。何だか急に罪悪感。

子供達は「死海」にトラウマができたようだ。

それ以来、我が家には「死海」には誰も行きたがらなかった。
誰かが行っても、羨ましいとも思わなくなった。


その子供達が、成長し時々「死海」に行く機会ができた。長男は、仕事などで何回も、、。

次男は、あれ以来、「死海」に出かけるのは今回が初めてだった。親しい友達と行くことで、以前のあの「トラウマ」はすっかり消えていたようだ。

帰宅後は、あの海に自然に浮かぶ「ポッカリ感」をまた思い出し、とても嬉しそうに語ってくれた。

今度は、もう行ける〜

今日は、長男の誕生日。昨夜寝る前に、弟達がメールを送ったそうだ。キャンプで今日は不在の次男。家を出る前に早めのメールを送ったそうだが、、、

お互いに、忘れていないことだけを「伝える」努力だけはすればいい

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