2007年10月13日

遺伝の証

週末の昨夜遅く、次男、三男はそれぞれ友達の誕生日パーティーで家を出た。友達宅で2泊した四男から電話が入ったのは夜10時頃。「これから帰る」との連絡だった。そのまま、バスに乗っても30分以内には自宅に到着予定。夜中の12時にはまだ帰宅せず。さすがに気になり始めた四男はどこ、、、
連絡がなければ、まだ予定がわからずそう気にならず。でも明日の予定があるので、早めに帰宅する約束だった。遅めなのであえて連絡を入れてきた。こんな時に限って携帯電話を持たず出た。だんだんと余計なことばかりが頭に浮かぶ。夜中の1時頃、ようやく鳴ったドアのベル。

鍵も持たずに出たのかしら、、、と、開けたドアの前に立っていたのは四男だ。いつもの笑顔もなく、疲れきった様子。「どうしたの!」

それから座って、帰宅途中の予期せぬハプニングを話し出す。結局、週末で来るべきバスもタクシーを待つこと1時間。ようやくあきらめ歩き出す。テルアビブから車で15分ほどの場所からだ、同じ距離を徒歩ではかなりかかるはず。

運悪く、一緒の友達の携帯電話。バッテリーが切れて連絡不可。心配性の彼の母親の顔が目に浮かぶ。歩きながら、最後の手段でヒッチハイク。ようやく1台の車が止めてくれたらしい。でも、途中で他の方向へ。止むなくそこで降りる事に。でもまだ遠い自宅まで、、、

しばらく歩いているうちに、走ってきたミニバスを止めてはみたが満席状態で乗車拒否。何が何でもあきらめられず、2人で運転手に拝み倒したそうだ。てようやく乗車許可が出たけれど、満席状態の車内は席もなく。やむなく床に座り込んだ背の高い二人。背中を丸めて、しのいだそうだ。

ようやく自宅近くのバス停で降りた時の開放感。そしてドッと出たのが疲労感。話を聞きながら、改めてゾッとしたのがヒッチハイク。お願いだから2度と同じことだけはしないでちょうだい。世の中、いい人ばかりとは限らない。乗せてくれた車がそのままどこかへ連れて行く可能性。最近、よくある危険な話。

話が終り、とりあえずグッスリ寝ることにした。翌朝、と言っても、すでに今朝。午前中にエルサレムに行く事になっている。寝不足状態で、車の運転だけは避けたいからだ。


そのままベッドに倒れこんだ四男。4時間ほどの睡眠で目覚めたが、その後はなぜか眠れない。やむなくコーヒーで、体を覚ます。四男の目覚めを待っていた。今日は、四男と2人でエルサレムの義父母を訪ねることになっていた。

車のコンディションも整い、ようやく遠出が可能になった。朝11時過ぎ、まだ寝ている次男、三男。今朝方帰宅で、起きるわけもなく、そのまま四男と2人家を出た。シャバットなので、途中の渋滞の心配もなく。1時間後に義父母宅。いつもと違い、家族一緒でないのがたまにいい。

2,3日後に目の検査を控えている義母。その前に子供達と訪ねることにした。家族一緒の時間がなかなか合わず、4人が一人ずつ日にちをずらし泊りがけ。たまには、祖父母相手に一人でゆっくり会話をするのも悪くない。おまけに母親不在も悪くない。本音で話もできるからだ。

最後に残ったのは四男だ。シャバットで、車の運転も可能になった。久しぶりのエルサレム。市内の道路工事も増えていた。臨時の道路標識もあちこちに。いつもと事情が違う道案内。それでも、目的地にはたどり着く。

久しぶりの義母の料理に舌つつみ。我々が大好きな「鯉のつみれ」の煮込み。義母が母親から受け継いだグラッシやスープなど。やはり、年季を積んだ味である。我々2人と義父母の4人で囲んだ食卓。人数の割には多過ぎる量。留守番組の次男、三男のための量もある。

義母が我々親子のために、以前から準備をしてくれていたものがある。今回の訪問でその一部を渡された。遠い昔、日本での生活を始めた夫が、義父母に書き送った手紙のコピーだった。それにしても、かなりの手紙の量。

夫が初めて日本の大学で日本語を学び始めた時の状況や、初めて触れる日本の文化。尽きる事のない彼の興味が、手紙の中に細やかに綴られている。

生まれて初めて知った「漢字」の面白さ。とにかく、夢中で学んでいたようだ。文字が読めれば、日本の文化や自分の興味などいろいろな情報が入ってくる。大学での研究を始める前に、とにかく日本語習得への意欲など、、、ヘブライ語で書かれている夫の手紙。

四男が内容を解説してくれたのは1部だけ。その他は、自宅でゆっくりと解説してもらう事にした。義母は、コピーを2部。我が家と義母宅で各1部を保管する。夫の自筆の手紙の筆記、何度見ても驚くばかり。我が家で見慣れている長男の筆記とまるでコピー。

新たに判明したものがある。手紙の中に解説されている沢山の漢字。どの漢字を見ても、長男の筆記と酷似しているのもまた面白い。おまけに、時々手紙の中にあるイラストも、長男のイラストと酷似なのだ。

長男は、それまで見た事もなかった自分の父親の字や漢字、イラストも。イスラエルに来てから学んだ長男のヘブライ語。日本で始めて学んだ父親の漢字。2人の筆跡が酷似しているのは偶然だけではないようだ。

長男の言うように手の筋肉などの遺伝もある可能性。でも、それ以上の2人の共通点は感性だ。2人共、細やかな感性がイラストや文章などに表現されているのが面白い。

この記事へのトラックバックURL

http://app.blog.livedoor.jp/ka1003/tb.cgi/51090303